2014年6月25日水曜日

翻訳者への道はウルトラマラソンか?:その2

フリーランスは時間と健康の管理がすべて

これものすごく大切なことです。

最初にいただいたレギュラーの仕事は、週に A4 サイズの雑誌を 15 ページほど翻訳するというもの。
結局 1 年ちょっと続いたでしょうか?
最初は 2 人の翻訳者が交互に隔週担当だったと思うけど、いつしか私 1 人で毎週担当することになっていた。

雑誌の翻訳は、続編の打診も来ていたのですが、土壇場で東南アジアの会社に安値で持って行かれたと、翻訳会社から悲痛な連絡をいただき、担当者の方と電話口でいたく落ち込んだりもしました。

その後、どうやって仕事を探すのかがわからず、途方に暮れているときに見つけた翻訳者のポータルサイトがいくつかあったのですが、その中でもサイトの作りが一番しっかりしているところに登録してみました。
ここは無料会員と有料会員とありましたが、まず無料で登録。
ハローワークみたいに翻訳者募集のコーナーがあり、その中から自分に合っていそうな案件に見積もりを送って、アピールするという方法にまずはトライ。

ここでの大きな失敗は、仕事が欲しいという焦りから、相当の安値での見積もりを出してしまったため、今に至っても例外的な安値で仕事を続けていること。
ただ、この会社の案件は「翻訳」の要素が少ないので、深く考えることもなく、ささっと終わってしまうのでいいんですが。

その後も、適正なレートがどうもよくわからない。
これはワード単価とか、技術にあった単価を考えるより、時給いくら欲しいか?月収いくら稼ぎたいか?から逆算することにした。
少しずつであるものの、時々仕事をいただけて、「あ、これはちょっと安くやりすぎたな」と反省しては、次にちょっと上乗せした金額で見積もりを出して受注する。
その流れを繰り返しているうちに、ある企業のトライアルに合格して翻訳チームのメンバーに入った頃から、自分の中で「このくらいのレートから上を目指そう」という目安もできた。

当初は雑誌などのエンタメ、文芸色の強い翻訳や、元英語講師だったので、英語教育関連の翻訳をしたいと思っていたのだけれど、どういうわけかトライアルで合格する企業が IT 関連ばかり。

「え?IT つっても。。。私、特に詳しくないし。大丈夫かな?」と不安を抱えてのスタートでもありました。
ただ、限りなく素人な私ですが、パソコンユーザーの大部分も素人なんですよ。
ところが、世の中には素人に不親切なマニュアルやヘルプが多過ぎるわけです。

そこで、自分が読んで理解できる文章で使い方を説明することをまず一つのスタイルとすることにしました。
そのせいで英文の倍くらいの長さになってしまったり、英文では省略しているステップも、あえて書き加えたり。
クライアント企業の担当者に「あ、そうよね?省略すると使い慣れないユーザーは困るよね?そうよねえー。。。うん、ありがとう!」という感じで、徐々に不親切なヘルプやマニュアルを、すべてのステップをきちんと説明したものに変える事もできた。

もちろん、まだまだ浅いキャリアで不十分な翻訳もすごく多かったと思う。

それについては、今になって申し訳なく思うし、今ならもっといいものができるんだけどなあとも思う。

1 年ほどのうちに、仕事の取り方、アピールの仕方、自分を売り込むポイントがわかってきた頃、クライアントからの紹介で新しいクライアントとお仕事をさせていただいたり。

私は自分のマーケットを主に海外と定めています。
もちろん、日本の会社からの依頼も時々ありますが。
海外のクライアントとはすべて英語での折衝になりますから、いろんな壁がないとは言えません。
ただ、これが意外にスムーズに運ぶのです。
相談、クレーム、質問、お願い、お金関係など、英語だとドーン!と要点を言うことが普通なので、コミュニケーションがやりやすいのです。
もちろん、失敗だってあります。
でも、日本人同士だと感じる「あー、お金の話するの気を遣うなあ」というのはないです。
言いたいことをストレートに言ったからって、嫌われる心配もありません。
相手だってどんどんストレートに言ってくるのですから。
でも、そんなやり取りの中で、親しくなれる人もいて、ねぎらいの言葉や温かい言葉をかけていただけると、「ああ、もっと頑張ろう」と前を向けるのです。

フリーランスの要は時間と健康管理です。
会社員と同じくらいの収入をと思うと、当然会社員と同じくらいの仕事量が発生します。
代わりがいないフリーランスは、風邪を引いたり、お腹が痛くなっても全部自分で何とか切り抜けなければなりません。

翻訳者仲間を作って、チームで助け合うということもできますが、基本 1 人で完結するタイプの私は、なにより自己管理に力をいれることとなります。

つまり、自己管理が苦手な人はフリーランスには不向きかもしれません。


一見順調に並みに乗りかけた感じもするのですが、やはり人生山あり谷あり。
ピンチだって訪れます。

次回はピンチについてもちょっと触れてみようかな。