2017年12月31日日曜日

2017年を振り返る

毎年、年末になると手帳に「来年やりたいこと100リスト(通称:100リス)」を作る。
2017年は100リスの51項目をクリアした。
クリアできた項目は「お金」でクリアできることがほとんどだった。
たとえば、「財布を買う」など。
ただ、「財布を買う」はここ3年くらい100リスの常連項目だったのだが、理想的な財布が見つからないのでずっと買えずにいたので、ようやく理想の財布に出会えて感激の買い物だった。

さて、今年はどんな年だった?


1.遠出が多かった

2017年は4月、9月、11月に東京へ、12月は大阪へと遠出が多い年となった。
東京はいずれも翻訳関連のイベント出席のため、大阪はライブ遠征。
普段、車移動しかしない私が公共交通機関を使って、たいして迷うことなく移動できたのはスマホと交通ICカードのおかげだった。
東京のイベントに足を運んだことで、普段だとお会いする機会がない同業者のみなさんとお会いできた。
かけたお金と時間を遙かに超える価値があったと思う。
毎度のことだが、勉強会やイベントで同業者のお話を聞くと、自分の未熟さを容赦なく突きつけられる。
数日かけて自分なりに消化して、方向性を修正しながら改善に取り組むようにしている。


2.あまり我慢しなかった

財布もそうだが、欲しいものをあまり我慢せずに買った。
と言っても、若い頃のような物欲はないので、本が増えたとか、着ない服を処分して新しく何枚か買ったとか、その程度のことなのだが。
「観たいなあ」と思った映画やライブがあって、時間があれば(合えば)観に行った。
その中でも、クラシックコンサートは鳥肌が立つほど感動したので、これからも機会があれば行きたい。

また、「やりたくないことを我慢してやる」のも減らすようにした。
我慢を減らすと穏やかに生きられるのでみなさんにもお勧めしたい。


3.老化が進んだ

昨年の夏から膝の調子が思わしくなく、走っては痛み、テニスをしては歩けないほど腫れるを繰り返した。
そのため、ジョギングもテニスもできない状態が続き、運動不足になった。
しかも、恐ろしいことに年に2キロのペースで太っている。
視力も悪くなったようで、昔のように長時間本を読むことが難しくなった。
Kindleで文字を拡大すると読みやすいのだけど、読みかけの本が何冊あるのかがわかりづらいのが難点。

更年期の症状はホルモン補充療法を開始してずいぶん軽減された。
毎日のように起きていた頭痛が激減してイライラすることも減ったので、「更年期のせいかな?」と思っている人はぜひ婦人科で相談してみてほしい。
本当に楽になるから。


4.父のがんが転移した

不定期で連載(?)している父のがん治療に関する投稿だが、完結できそうにない。
転移が見つかり、まったく症状がないにもかかわらず、本人の希望で抗がん剤治療を開始。
一旦はがんが縮小したものの、その後また元の大きさに戻ってしまった。
別の抗がん剤で治療を続けたい!ということで、しばらく治療が続くことになった。
母に続き父までがんになったことで、自分の健康についても今まで以上に真剣に考えるようになった。
一度、しっかり調べておこうと思い、人間ドックにも行った。


2018年はどうする?

仕事量は今年と同じくらいで、レートがもう少し上がれば助かるのだけど…ということで、新規開拓しようと思う。
仕事以外では、できるだけ無理や我慢をせず肩の力を抜いて気楽に。
2018年は、ガンジーの言葉をモットーにしたい。

Live as if you were to die tomorrow. Learn as if you were to live forever. 
(明日死ぬつもりで生き、永遠に生き続けるつもりで学べ)

よいお年を!



2017年12月5日火曜日

第27回 翻訳祭に参加した:セッション

11月29日に東京で開催された翻訳祭では、4つのセッションを聴講した。

1.よくみる和文英訳の落とし穴(ベンジャミン・トンプキンス氏)

講師のベンさんは同じ九州人で(え?と思われるだろうが、ご本人が「九州男児ですから」と仰っているので間違いない)、飲み仲間でもあり、マラソンの先輩でもある。
普段、英訳は全くといっていいほどやらないが、英訳にも和訳にも共通するルールがある。
このセッションでも、無駄のないすっきりとした英文を書くことを強調されていた。
自分のことを考えてみると、自信がない訳文は長くなりがちだ。
ポイントを明確に伝えられず、だらだらと文章が長くなってしまう。
動詞句でなく動詞1語で表現する「Power Verb」という考え方は、先月の翻訳フォーラムで高橋さきの氏が講演された「述語から読む・訳す」につながるのではないだろうか?
できれば、福岡で「ワークショップ形式」でじっくりやってみたいなと思った。


2.ミニ講演会 第2部

1人10分という限られた時間でプレゼンを行うスリリングな試みだった。
英語以外の言語、翻訳会社側から見たテーマ、通訳に関するプレゼンなど盛りだくさん。
何というか、映画の予告編を見ているような感じで、ロングバージョンも見て(聞いて)みたいと思った。
中でも印象に残ったのは(株)テクノ・プロ・ジャパンのお2人(梅田氏と加藤氏)のお話。
最近たるみがちな私はキュッ!と身の引き締まる思いだった(身体は引き締まらないが)。
川月現大氏の「あいまい文のもたらす不経済効果と対応策」は、前日の十人十色の勉強会でロングバージョンを聞いていた。
「あいまい文」は個人的に最近とても気になっているテーマで、10分という超ショートバージョンはビートがきいていて「お?」というノリだった(ちょっと何言ってるか自分でもわからない)。
齋藤テリー氏のプレゼンは翻訳会社向けの内容だったということで、ピンとこない部分があったけど、恐るべき神パワポだった。
テンポといい、見やすさといい、何もかもがパーフェクトで鳥肌が立った。


3.書籍を訳すという仕事(村井理子氏、伊皿子りり子氏)

この1年ちょっと、ネットで村井さんをウォッチしている。
村井さんのブログにはお腹を抱えて笑ったり、ホロリとしたり、実に栄養豊かな文章を書く人なのだ。
訳書も拝読して、面白かったので親戚の子供にもあげた。
偶然、ホテルのレストランやエレベーターで一緒になって、間近で「生村井さん」を見ることができた。
誤解を恐れずに言うと、お姿は「普通のおばさん」なのだ。
「あ、私と同じ普通のおばさんだ」とシンパシーを感じてしまった。
キョンキョンみたいに「同い年だけどまるで別の生き物」ではない。
村井さんは想像通り、読むこと、書くことへの愛情があふれた人だった。
「ああ、この人の文章が面白いのは当たり前だな」としみじみした。
あと、なぜかはわからないが「村井さんが作るご飯はきっと美味しいに違いない」と確信した。
名刺を持っていないときに限って接近したので、名刺交換ができず残念だった。


4.翻訳者のための辞書環境構築入門(関山健治氏)

最後のセッションは悩んだ結果、辞書のお話。
関山さんについては、福岡の勉強会後に著書の『英語辞書マイスターへの道』を読んでいた。
ただ、本で読むのと直接お話を聞くのでは、CDで聴くのとライブに行くくらいの違いがある。
ちなみに、関山さんは大変にイキのいい声をしていらした。
大学の講義では、後ろの席にいる生徒の耳にもしっかり届いているに違いない。

辞書の使い方・引き方はデジタル化が進んで大きく変わったわけだが、デジタル辞書ならではの使い方がたくさん紹介された。
「和訳をするときは英和辞典があればいいのか?」という根本的な問題提起は、翻訳勉強中の方には「刺さった」のではないだろうか?
普段、英語から日本語に訳すのに、英和だけで済むことはあまりない。
英英辞典も使うし、国語辞典も使う。
複数の辞書を行ったり来たりしながら、「ベストな着地点」を探している。
柴田元幸氏と村上春樹氏の対談記事にも、同じようなことが書かれていた。

しかし、90分の講演を4つというのは、大学の授業と同じだ。
終わった後はお腹がペコペコになった。

2017年12月3日日曜日

第27回 翻訳祭に参加した:概要

東京で開催された第27回JTF翻訳祭に行ってきたので、忘れないうちにざっくりと書き留めておく。
自分の中でもう少し消化、整理してから、後日、改めてまとめてみようと思う。

前夜祭

こちらは、翻訳祭とは別で、「十人十色」という翻訳者の勉強会主催の集まり。
川月現大氏による講演と、各地の勉強会関係者によるパネルディスカッション。
福岡翻訳勉強会メンバーも登壇。
懇親会では、1月27日の「第3回 博多で翻訳勉強会」で講師を務めていただく井口さんと同席する機会に恵まれた。

翻訳祭

1,000人近くが参加し、大変な盛会となった。
午前に2つ、午後に2つのセッションを聴講。
英訳や出版翻訳など普段の仕事とは違うのだけれども、「この人の話を聞いてみたい!」という好奇心に任せてセッションを選んだ。
90分の講演を4コマというのは、大学の授業以来ではないだろうか?
昼食後のセッションでは意識が遠のいたりしつつも、気が付いたら1日が終わっていたという感じだった。

交流パーティー

SNSなどでやり取りはしていても、地方在住なので実際にお会いしたことがない方がほとんどだ。
わずかなヒントを手がかりに目当ての人を探し出すという、トレジャーハント的な高難易度ミッションだったが、多くの方の協力を得てかなりクリアできたように思う。
また、福岡の勉強会でお会いした方が表彰されたので、とても誇らしい気分(私が誇ってどうする?)で東京出張を締めくくれたと思う。

今年から遠方での勉強会に足を運ぶようになり、3回目の上京となった。
毎回「これをどうしても学びたい」というテーマがあっての上京だったが、奇しくも結果的には昨年以来参加した勉強会のテーマが数珠つなぎのようにつながり、自分の中でいい具合に熟成している気がする。
仕事の成果にダイレクトに結びついたものもある。
漠然とした言い方になるが、短期的および長期的方向性を考えるときの「地図」を手に入れたと思っている。
新たに多くの出会いもあり、「知り合い」と呼べる人が増えた。
「どこかで誰かが私の仕事を目にするかもしれない」というささやかな緊張感が、怠惰な私には必要なのだ。


今回の上京では、「はやかけん」という福岡市営地下鉄発行のICカードを導入したので、移動が格段と楽になった。
毎回キップ売り場でもたついていたのが嘘のように解消されたので、やはりテクノロジーの進化には黙って従うべきだなと思った次第。


2日間にいただいた名刺を数えたら39枚だった。
惜しい!あと1枚で40枚だったのに…。