ミミズクは 耳が付くから ミミズクよ
先月発売された村上春樹の『騎士団長殺し』を中心に、村上春樹とのロングインタビューを収めた本。不勉強だけど、著者の川上未映子氏を私は知らない。ただ、村上春樹という作家がいかにして小説を書いているのかを、ここまでクッキリと引き出せたことにいたく感動した。同時に、文章を書く(入力する)仕事に携わる者として、なかなかに興味深い内容だった。文体とは?文学とは?物語とは?という言葉にしにくい疑問が明確に言語化されていて、圧倒された。ギタリストの超絶技巧プレイを目の当たりにした感じ。『職業としての小説家』(村上春樹著)と併せて読むと、また味わい深く楽しめる。村上春樹という小説家のワークフローも実に興味深かった。
昨年はあまり本を読まなかったので、今年はできるだけ多くの本を読むことを1年の目標に掲げた。しかし、本は嗜好品も同然なので読む作家が偏りやすい。そこで、ネットや新聞などの書評や信頼できそうな人がすすめる本で、これまで手に取ることのなかった本も読んでみようと思った。本棚スペースの問題もあって、初対面の作家の本はKindleで読むことが多いが、出会いのきっかけとしては悪くない。もちろん、「この表紙いいな」とジャケ買いする本もある。そして、当然ながら途中で読むのを放棄した本もある。『アンナ・カレーニナ』とか。
翻訳物はあまり読まないのだけれど、Twitterで文芸翻訳者も多くフォローしているので、作品のジャンルやツイートの文章から判断して何冊か入手した。この方法は「アタリ」を引く率が結構高いので、日頃から文芸翻訳者のツイートを注視している。
結論:このブログでも文体をもう少し意識してみようと思う。そこで、冒頭のサブタイトルを川柳(あるいは短歌)にすることにした。
今、すごくハードルを上げた気がする!