2016年12月18日日曜日

父、がんになる その7

手術の6日後となる12月11日(日)、母から電話がかかってきて「お父さん火曜日に退院できるって。今日担当医の先生が来て火曜日に退院していいですよって言ったらしいけど、まだリハビリ中は酸素ボンベ使ってるのに退院して大丈夫かね?」と退院予定に異議を訴えられた。翌日、父が担当医に「リハビリ中は酸素ボンベ使ってますが、退院しても大丈夫ですか?」と確認したら「あ、そうなんですか?じゃあ、リハビリ担当の先生に確認してみます」と言われたらしい。

そろそろ横断的に情報を共有してくれないか??

結局、手術から10日後の12月15日(木)に父は退院した。平日ど真ん中ということもあり、近所に住む親戚が病院に迎えに行ってくれたらしい。自宅に戻った父から電話があり「風邪引かないようにって言われたからマスクしてる。外には出ないようにする」と、若干的外れな発言が出てきたが、外から帰ってきたらうがい・手洗いを徹底するように伝えた。退院当日に父から聞いた状態は以下のとおり。


  • 安静にしていれば痛みも苦しさもゼロ
  • 歩いたりして動くとすぐに息が上がる
  • 息が上がるが「苦しい」という感じではなく、ちょっと休憩するとどうということはない
  • 腕を動かすと傷跡にちょっと痛みを感じることがある
  • 母が訴えるような胸や背中の内側からくる痛みは全くない
  • 「お母さんはやっぱり大袈裟なんじゃないか?w」


父ががんになって手術を受けたことは母方の親戚には言っていない。父方の親戚も近しい相手にだけ伝えている。元日は毎年母の実家に親戚が集まって食事会をするのだが、子供も何人かいる(私のいとこの孫)。子供経由で風邪をうつされるのが正月一番の懸念材料。ゆえにきちんと病気のことを伝えて、もし風邪を引いている子供がいれば父は参加しないようにすればいいのでは?と思うのだけれど、高齢者は必ずと言っていいほど「無用な心配をかけるし、お見舞いをもらったらお返しをしなくちゃいけないから言わなくていい」と譲らない。こういう考え方は結果的に面倒を招くだけなのだが、うちの両親の病気に気を遣った姑が「ちょっと申し訳ないから正月の温泉をキャンセルしてくれ」と強固に主張したことからもわかるよう、無用な心配は止めることができないから受け入れるほかにないのだ。

年末は26日に母の通院(術後約半年の診察と検査)、翌27日は父の病理検査の結果が出る。今後も両親とも定期的に検診を受けてがんの再発がないかを確認することになるのだが、母は「再発したとしても治療はしない!」と明言している。できれば文書化してほしい。父は逆に「手術は厭わない」のだが、本人の意思とは裏腹に再発しても治療する道はない。

今年は高齢の親が入院手術をする大型イベントが繰り返されたため、仕事をかなりセーブした。もちろん収入も大幅減だ。親の介護をするか否かは別にして、車椅子の扱い方を練習しておくことをみなさんにオススメしたい。思った通りに動かすことは意外に難しいのだ。断捨離も早くから取りかかっておくと良いと思う。今回、母から古い写真を数枚と、ひいばあちゃんからもらった指輪を「生前形見分け」してもらった。「生前形見分け」については、祖母が死んだ時に私がもらう予定だった着物が別の親戚に譲渡されていて、私の手に渡らなかったことを反省して前倒ししたのだ。



結論:「フリーランス=時間が自由になる人」と思われがちだが、実際はさほど自由ではないし、休んだら当然売り上げが減る。どの程度までなら休めるのか、どの程度までなら売り上げが減っても大丈夫か、急に3日以上(あるいは1週間以上)休まなければならなくなった時のクライアントへの対応も含めて今のうちから決めておくといいと思う。そして何事もこちらが意図したとおりにはいかないものだ。


追記:父は術後数日で予想どおり自由に買い食いをして誰に怒られることもなくおやつを楽しんでいたらしい。入院ダイエット失敗。