2023年9月14日木曜日

はじめてのスライダーズ

先日、ザ・ストリート・スライダーズ(以下、「スライダーズ」)のライブに行った。夫はスライダーズの大ファンなのだが、私はよく知らない。車のHDにベストアルバムが入っているので、運転中にたまに、しかも受動的に聴く程度。このベストアルバム以外は聴いたことがない。バンドメンバーのことはまったく知らない。100%初心者である。

一方、夫にとってスライダーズは「最も好きなバンドのひとつ」であるらしい。スライダーズが再結成すると聞いたときの夫の反応は、20数年前にレイジーが再結成すると聞いたときの私の反応と同じだった。トリビュートアルバムの爆オン試聴会に行った後の夫はさらに熱が高まり、ツアーが決定してからはずっとソワソワしていた。

スライダーズをよく知らない私は、よもや「チケット争奪戦」になるなど想像もしておらず、「福岡ならチケット余裕で買えるやろ?」とナメていた。運良く、一発で福岡公演に当選したのだが、チケットを入手できずに涙を呑んだ人も多いらしい。実際に、当日の会場入り口前で「チケットゆずってください」と書いた紙を持って立っている人を何人か見かけ、「まじで?!」と驚いた。

私が欠かさず足を運ぶのはLOUDNESSとシナロケなのだが、そのどちらともお客さんの雰囲気が違っていた。なんというか、ちょっと都会的な雰囲気なのだ。実際、遠方から来ている人も多そうだった。会場がキャナルシティ劇場だったことも、「いつも行くライブと違う!」感を強めていた一因だろう。

開演時間になると会場全体がソワソワしはじめる。早くも立ち上がり拍手をする人、歓声を上げる人、それにつられて会場全体が興奮に震えていた。

メンバーが登場すると、観客が一気に弾けた。予習ゼロで参加したやや引き気味の私に対し、夫は最初から最後までノリノリで熱狂していた。

帰りの車中でも夫はご機嫌で、いろいろと解説してくれた。ハリーのギターはオープンチューニングだから曲ごとにギター変えるんだとか、昔は笑顔すら見せなかったのにすごく愛想が良くなっていてびっくりしたとか。

そんな夫とは対照的に、私は最後まで引き気味で終わってしまった。なんというか、テンポが私の好みに合わなかった(遅すぎる)。夫には「あー。やっぱり、キミの好みとは違うやろなあ」と言われた。その後も夫は家に帰り着くまで、いや帰り着いた後もずっとスライダーズの話をしていた。私がレイジーやLOUDNESSのライブ後にずっと喋っているのと同じだ。

熱く語りまくる夫を横目に、ふと「キャナルシティ劇場の前にいた人に私のチケットゆずってあげればよかったかな?」と思った。とはいえ、チケット転売対策か、入場の際に抜き打ちIDチェックが行われていたのだが。

ところで、コロナ前と比べるとライブのチケットがずいぶん値上がりしている。私の観測範囲では2~3割アップくらい。海外のミュージシャンともなると、輸送費の高騰などもあって倍近くなっているのではないだろうか。夫の友人がクイーンとアダム・ランバートのライブに行くらしいが、チケットが25,000円だったらしい。私ら夫婦は今月末にEXTREMEの大阪公演に遠征するのだが、そのチケット代(13,000円)を聞いた夫が何度も「ねえ、ヌーノ*はそのチケット代で大丈夫なん? ペイできるん?」としきりに案じている。ヌーノの心配よりも、大阪遠征がうちの家計に与えるダメージを案じて欲しい。

*EXTREMEのギタリスト、ヌーノ・ベッテンコート。私が最も好きなギタリストのひとり。