2023年9月30日土曜日

ステージ復帰への道:スタート編

 突然だが、12月に夫が所属していた軽音サークルのライブに出演することになった。夫が裏で手を回して関係者(大学軽音サークルの仲間)および非関係者を説得してこぎつけたわけだが、早い話、夫自身が出たくて熱心に動いたようだ。ところが、自分だけ出たのでは私に来る日も来る日もイヤミを言われることは火を見るより明らかだ。前回は友だちのバンドに急遽参加させてもらった夫だったが、今回は私を出演させるために自分のバンドを作ることにしたようだ。

まず、足りないパートはベースとドラムとボーカル、つまりギター以外全部足りない。学生時代に一緒に組んでいたメンバーは全員が遠方に在住。そこで、福岡在住の友人にヘルプを頼んだらしい。ベーシストは同じ大学でハードロックバンドをやっていた同級生。ちなみに、今回演奏するのはルースターズ2曲とシナロケ1曲の計3曲。ベーシストは「もう10年くらいベース弾いてない」と言いつつも引き受けてくれた。ドラマーは中学の同級生で、普段はインストバンドで叩いているらしい。何度か動画を見せてもらったのだが、ほぼプロの腕前である。

ボーカルは見つからなかったため、夫がルースターズを、私がシナロケを歌うことになった(もちろん歌詞はうろ覚えだ)。情けないが、私は弾き語りができないので、歌うときはギターはお休みしてイントロと間奏部分だけ演奏に参加する。

気がかりなのは、私に課されたパートがサイドギターという点だ。バックビートで弾き始めたはずなのにいつのまにかダウンビートになってしまうという天性のリズム感を持つ私がサイドギターというのはかなり厳しい。「とにかくドラムを聞いてドラムに合わせて! 音数減らして音量抑えめで」と言われているのだが、リズム音痴をなめてはいけない。聞いて合わせられるのなら苦労はしないのだ。

同じ家に住んではいるが、普段は各自別の部屋で練習している。一度だけ生音で軽く合わせてリフパターンの確認をしただけでひと月が過ぎた。いくらロックが生ものとはいえ、この私がぶっつけでやるのは無理が過ぎるというものだ。そこで夫と私だけでスタジオに入り、iPadをPAにつなげて流した曲に合わせて弾いて(&歌って)みた。

全然悪くなかったのだが、リードギターしかやったことがないためか私も夫も我が強すぎる。私はどうしてもサイドギターに徹することができない。バッキングの音がでかすぎるだの歪ませすぎだの言われても、「だって私はハードロックが好きだからね」と一蹴。確認用にスマホで録音したのだが、やっぱり私のビートが微妙にずれている気がした(どうしてもポップスのビートになってしまう)。二人だけでやっていてもらちがあかないので近日中にバンド全員でスタジオ練習をする予定だ。

普段は月に2回、スタジオに入ってギターのレッスンを受けているのだが、バンド練習はレッスンで入るスタジオとはまったく違う楽しさがある。上手に弾けなくても間違えても全然OK(いや、たぶん私以外はOKではないな)、ノリだけで突っ走るのはこのうえなく気持ちがいいのだ。本番では全力で突っ走る予定なので、その姿を見て元ガールズバンドの女子たちが「来年は私も出たい」と思ってくれたら何より嬉しい。

というわけで、いま人生で一番熱心にギターを練習している。同じバンドでキーボードを弾いていた友だちから「あのときもこのくらい練習してくれれば良かったのに」とチクリと言われたほどだ。面目ない。