2016年4月20日水曜日

熊本・大分地震

熊本と大分で被害が大きいから「九州中部地震」でいいんじゃないのかな?

 去る4月14日木曜日午後9時半頃。友達の誕生日にワインを贈るためにFacebookのメッセンジャーで住所の確認をしていたら、突然大音量のアラーム。初めて聞く音に驚き、まず「メールの通知音がこんな爆音に?」と意味不明なことを考え、2秒ほど経って、「あ!」と気付いた瞬間、ガタガタという音とともに世界が横にゆらゆらと揺れ始めた。福岡西方沖地震を思い出して「地震だ!」と気付いたものの、なすすべなく茫然自失の状態。何分も揺れていたような気がしたが、私が一人茫然自失状態にあったとき、猫たちは一斉にこたつの下、ベッドの下に隠れてしまった。揺れが収まって、友達と「大丈夫?」と無事を確認し合った後、ネットの地震速報を見ると「熊本地方震度7」と大きく出ていた。熊本で震度7?テンキー配列は4の上に7があるからミスタイプだろうと思ったものの、本当に震度7だった。

 地震のときは電話が繋がりにくくなる。熊本に身内はいないので、電話を使うことを控えた。地震発生から1時間ほど経ってから、佐賀の両親から電話がかかってきた。ひどく揺れたけど問題はないとのこと。その後、家の中を見て回ったところ、本棚の扉が開いて、中から軽いものが飛び出していた程度で、目に見える損害は何もなかった。ようやくテレビをつけたものの、その後なかなか眠れず。猫もそっと様子をうかがいながら隠れていた場所から出てきた。夜中に余震で揺れる度に猫を撫でながら深夜遅く就寝。

 翌4月15日金曜日午後5時過ぎ、平日プチ別居中の夫(姑が独居老人のため平日数日を実家で生活中)が戻ってきて、猫たちは若干落ち着きを取り戻したものの、神経質なフクちゃんが軽いノイローゼ状態で私や夫の姿が見えなくなると探しまわるので、トイレに行くにも一緒に連れて行き、仕事中もずっと一緒にいた。

 同日、ずっと余震が続き、福岡でも幾度となく揺れた。我が家では食料の備蓄が極端に少なく、非常持ち出し袋もない。おまけに懐中電灯すらどこにあるのかわからない始末。やっと見つけたと思ったら、猫の粗相を発見するためのブラックライトだった。これを機に非常持ち出し袋と非常食の準備をしようと決めた。午前1時頃就寝。自転車用のLEDライトを枕元に置いて寝た。

 4月16日土曜日午前1時半頃、大音量のアラームとガタガタという音、激しい揺れに飛び起きた。さっき眠りについたと思ったが、時計を見ると午前1時半。布団に入ってから30分しか経っていない。前日より激しい揺れ。熊本で被害が拡大している。午前3時半頃再び就寝。

 同日、起床時から頭痛。起床すると夫が「阿蘇大橋がなくなった」と言う。何を言っているのかわからない。パソコンで画像を見せられて驚きのあまり言葉も出なかった。九州、とりわけ福岡や佐賀の若者にとって、阿蘇は車の免許を取ったら何度となく訪れるドライブコース。実際、この前の週に阿蘇ではないが、近くの久住にある温泉に1泊旅行をしたばかり。久住から望む阿蘇五岳の雄大な自然に心を洗われたばかりだった。阿蘇の中でも私は南阿蘇が大好きで、年に1度は南阿蘇の温泉に泊まりに行く。南阿蘇に行くときに必ず通るのが阿蘇大橋。国道57号線と南阿蘇を結ぶなくてはならない橋。その橋がなくなった。崩落してしまった。山肌が崩れて建物も飲み込んでしまった。近くの大学の寮が倒壊して、若い命も飲み込まれてしまった。私の大好きな阿蘇の姿が大きく変わってしまった。雲仙の大火砕流をテレビで見たときと同じ、情け容赦ない自然の圧倒的な力。

 仕事をしようと仕事部屋に行くと、iMacの位置が20センチ以上ずれていた。キャスター付きの家具がちょっと動いていたり、また本棚から軽いものが落ちていたり、その程度のことで済んだ。日中、何度も余震を感じた。ずっと揺れ続けている感じが抜けなくなったので、夕方はテニスで思い切り体を動かした。この夜はいつもと同じ時間に眠れた。

 4月19日、熊本に単身赴任中の同級生にメールしたところ、断水4日目となり収まる気配のない余震に疲れ果てているそう。

 もし可能ならば、せめて九州他県の揺れが少ない地域に逃れることはできないものだろうか?避難所生活が長く続くことは容易に想像できる。余震がいつ収まるのかもわからない。それならどうしても熊本に残らなくてはならない理由がある人以外は、他県に一時的に非難できないのだろうか?避難所や救出現場、捜索現場を撮影する少なからざるマスコミ。その場にいるのなら人の不幸にカメラを向けるより他にやることはないのか?怒りを感じる。熊本だけでなく、九州は地震には不慣れだ。多くの家庭が非常持ち出し袋の用意をしていないと思う。物資供給の手際の悪さ、マンパワー不足、交通網の寸断。問題山積の被災地。阪神や東北で被災を経験した行政担当者の力を借りられないものか。などと、つらつら考えている。

 一刻も早く避難している人に必要な支援が届いてほしい。また阿蘇の雄大な自然をまた見に行けますように。

 オスプレイによる救援物資の搬送を「政治利用だ」と佐賀の愚か者が騒いでいると知り、同じ佐賀の人間として恥ずかしいことこの上ない。

 九州以外の地域の皆さん。熊本も大分もとても素敵なところです。温泉が豊富で、食べ物も新鮮で、山や海が美しいところです。復興したら、ぜひ一度訪れてみてください。